3枚の画面 12枚の画像 4枚の瓶

2022/07/23-24

3枚のディスプレイに1分間で切り替わる画像をそれぞれ4パターン表示した作品です。そこには静物画の古典的なモチーフである瓶の画像を、画像ごとに使いまわして使用することで配置によって別アングルとして提示しました。画像の持つペラペラの奥行きがレイヤーの重なりや*前後*の切り替えでその画面の持つレイヤーによって成り立つ空間について考えました。
元々はアニメの制作で用いられる、セル画や背景画の重なりによって画面の中で実際の空間とは違うものを感じたところから制作を進めています。少しジャンプしているように感じるかもしれないが、そのペラペラの画像が重なり合うことでできる空間の中に、アニメが描いてきたキャラクターが存在しているということを考えていきたいです。


静止したあと次の配置になるためにそれぞれの瓶が動き出します。その時にレイヤーを越えて前後の関係が変化することで静止静止した状態の画像が持つレイヤーによってできる空間を表しました。
画面の中央で瓶が静止し他の部分は常に動き続けることで、一つの瓶は画面の中で常に静止画であるように表しました。
定点カメラのように風景が普段は動かない中で、ピントという映すものの構造によってできる動きを、ビットマップの持つ質感を用いて表しました。
アニメは映像ではあるけれど動かなくても画面を成立させるための方法が多くある。動かなくても映像になるもの、動いても画像になるものの境界線を探っていきたいです。

*レイヤーの関係を前後で表して良いのか上下で表して良いかはわからない。例えばアフターエフェクトなどのデジタルのソフトを用いた場合、撮影や編集をするときに画面は立っているので前後というのが適切に感じる。それに対して、アニメで用いられていたアニメーション撮影台はセルといった平面を横にした状態で重ね、カメラは上から下に向けて撮影されるので上下というのが適切に感じられる。